自然石による空積みは数百年前から存在し、
日本各地の城や、河川の水制工などを見ると石を組む事により、
強固となり耐久性がでる事が
証明されています。

また、基本さえ守れば何にでも応用可能となります。

コンクリートに比べ不安定なイメージがありますが
正しい技術で施工することにより何百年もその姿が維持されます。
空積みの施工例(中州工)
施工直後 現在


1.護岸工
・まわりの石とは必ず接するようにする。
・大小の石を混ぜた方が強度が増す。
・禁手はしない。
護岸工(正面図)


・護岸の通りを自由にできるならば、R形状のほうが強い。
・図の点線のように「2番」を通す。
・先端には洗掘に耐えるよう大きめの「力石」を配置する。
護岸工の根石(上から見た図)


・10コに1コ以上ゴボウ石(控えの極端に長い石)を使うことにより強度が増し、崩れなくなる。
護岸工(断面図)


主な禁手
・護岸工に限らず、自然石積みをするときは禁手にならないようにする。

@目通り
縦・横・斜めの目地が直線状に通ること。せん断力に対する摩擦力がない。

Aアゴ出し
石の面を出すこと。水制などでこれが大きいと流水により飛ばされる。

B逆石
尻を下げないで石の上下を逆さまに積むこと。長い間に抜け落ちる。

C鏡張り
控えを縦方向にすること。控えがないので不安定で壊れやすい。
@目通り Aアゴ出し B逆石 C鏡張り


2.水制工
・水制工は水の流れをコントロールするもので、配置する場所によって
「流れに変化をつける」「水深をコントロールする」「土砂の堆積を防ぐ」
など様々な機能が得られる。


・巨石を先端に配置し、洗掘に備える。
・2番を通し、弧を描くように並べる。
・最後にくさびのかわりになる石をはさむ。
水制工の根石(上から見た図)


・水制工は護岸と異なり、3次元の組み合わせになる。
水制工の断面図(流れと平行方向)
水制工の断面図(流れと垂直方向)


水制工製作過程(根石)
・2番を通し滑らかなアーチ状に石組みする。


水制工製作過程(根石)
・なるべく底が平らで、控えが長く、尻が下がっている石を選ぶ。


水制工製作過程(2段目)
・根石に落とし込む様に2段目を配置する。中詰材は礫、土砂など付近の材料で大小取り混ぜて使用する。先端の最も重要な部分に1m級の力石を配置する。


水制工製作過程(天端)
・上からの石は差し込む要領で強度を持たせる。


水制工製作過程(天端)


水制工製作過程(竣工)


3.段差のある河床
・河床に段差をつけることにより、大雨で水量が増えても川の流れが
急激に加速しないようになる。
魚が段差を行き来できるように落差は30cm以内にする。


段差のある河床
平常時


段差のある河床
増水時


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